そもそも脳では部分ごとに異なる働きがあります。
脳の働きは互いに影響し合い、連携を取り合って、生命維持や行動や思考として表れます。脳のどこでどのような働きを担当しているのか、どう影響しあうのかを知ることは、自分の脳とうまく付き合い、ボケない脳をつくる第一歩なのです。
人間の脳は、終脳(いわゆる大脳)、脳幹(間脳、中脳、橋、延髄)、小脳から成り立っています。人間の場合、終脳が非常に発達しており、これが脳幹を包み込むような感じで頭蓋の中を占領してます。終脳はさらに、外套と大脳核および側脳室に分かれ、外套は神経細胞が集中する灰白質(=大脳皮質)と、神経線維が集まる白質からできています。小脳は延髄の上にできたコブのような形です。
成人の脳の重さは約1300gで、新生児のときに400g程度しかなかったものが、生後1年で倍になり、4〜5歳で1200gに達し、10歳までには成人とほぼ変わらない重さになります。機能的には20歳前後でほぼ完成します。
■大脳皮質は平均の厚さ約2.5mmで、人間の場合、6層に分かれています。大脳皮質は記憶、知覚、言語、運動などあらゆる人間の情報活動を司っています。
大脳は深い4本の溝で前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つに区分けされています。葉とは領域のことで、この4つの領域はそれぞれ異なる働きを担っています。
■後頭部にある後頭葉は視覚にかかわります。
目から送られてきた情報はここで処理され、何かのイメージを画像的に思い描くときは後頭葉が活動しています。
■頭頂葉の後ろのほうは、ものの位置や動きをつかむところ。
『空間イメージ』でものをとらえ、判断や理解、知覚といった機能をつかさどっています。抽象的で空間的な理解が必要な、いわば理数系の働きはここ頭頂葉が担当しています。
■頭頂葉のてっぺん体性感覚野
また頭頂葉のてっぺんのほうには、身体の感覚を受け止める体性感覚野があり、触った感じや皮膚感覚を受け持っています。
■側頭葉は、ものの形や意味をつかむ仕事をし、また短期的な記憶を処理します。
■耳のあたりでは聴覚の処理を、こめかみあたりでは言葉を話す処理を担当しています。
■角回は見たものを理解し言葉にする働きをしています
側頭葉と頭頂葉、後頭葉の境目あたりには角回があって、この角回は見たものを理解し言葉にする働きをしています。比喩やメタファーができるというのもこの角回の働きによるものです。
■脳の前のほうの広い領域が前頭葉です。てっぺんのほうには運動機能をつかさどり、すべての筋肉を支配する運動野があり、その前方に運動プログラムにかかわるところがあります。
■なかほどのブローカ野(言語野)は、言葉の組み立ての中枢で『話す』、『書く』ときの司令塔です。
■額の後ろあたりの『前頭前野』は、意思・計画性・芸術性・道徳性・自意識・自我など、およそ人らしいことには必ずかかわって働いています。
前頭前野は脳に入ってきた様々な情報を統合して、出力へと折り返しています。つまり、脳の中でも最も重要な管理中枢機能を担っているのです。
ですから、前頭葉、特に前頭前野を働かせることが『脳力』キープにつながることになるのです。
■白質は大脳と脳幹や脊髄、あるいは大脳皮質の神経細胞同士を結んでいます。
■間脳はさらに視床と視床下部に分かれ、前者は視覚・聴覚などの情報を大脳に中継し、後者は新陳代謝、体温調節、消化などの自律神経の中枢として機能しています。
■間脳、中脳、橋、延髄を総合して脳幹といいます。生命の維持においてとても重要な働きをする場所です。
1.多数の脳神経が出入りし、脳神経の神経核が存在
2.感覚性神経・運動性神経が通る
3.自律神経の中枢
4.意識と覚醒に重要な神経回路が存在
脳幹は心臓をはじめ、内蔵の働き、呼吸運動、血管運動、血圧調節、体温調節、血糖値調節、ホルモンバランス、摂食、生殖、体内水分量、排尿、唾液分泌、眼の動き、瞳孔、姿勢反射、生体内部環境の恒常性、感情の基礎となる心の動き(情動)、などなど。
■中脳は視覚や聴覚の中継をしています。
■橋(きょう)は知覚や運動に関する情報の伝送路が走ってます。
小脳はその名のとおり小さな脳ながら、1000億個ものニューロンが活動しています。
小脳が主に受け持っているのは運動を調節したり、姿勢のバランスを保ったりしする運動の調整で、カラダを滑らかに動かす働きをします。
そして、その働きは運動分野だけにとどまりません。小脳は言語や思考などの知的な処理でも大きな働きをすることがわかってきました。
延髄は呼吸、循環など、生命活動の基本的な営みを支配しています。